3 糖尿病の検査

糖尿病の検査方法

糖尿病の検査とは、血糖値が基準値よりもどれくらい高いかをみるものです。

検査方法は、「空腹時の血糖値検査」と「ブドウ糖負荷試験による血糖値検査」を行います。

1回目に朝食前の空腹時血糖値が126mg/dL以上あったり、ブドウ糖負荷試験2時間値または食事と関係なく測った血糖値が200mg/dL以上の場合に糖尿病型と判定されます。

そして、別の日の検査でも糖尿病型になると、糖尿病と診断されることになります。

血糖値と正常型、糖尿病型の関連は以下の通りです。

 〔正常型〕空腹時110mg/dL未満 かつ、ブドウ糖負荷試験2時間後140mg/dL未満

 〔境界型〕空腹時111~125mg/dL または、ブドウ糖負荷試験2時間後140~199mg/dL

 〔糖尿病型〕空腹時126mg/dL以上 または、ブドウ糖負荷試験*2時間後あるいは随時血糖値200mg/dL以上

 ※ブドウ糖負荷試験・・・75gのブドウ糖を水に溶かして飲んだ後、30分、1時間、2時間後などの血糖値を測定する検査のこと。



糖尿病になりやすいかをチェック

糖尿病になりやすいかどうかを簡単にチェックしてみましょう。

1 次の項目で一つでもあてはまりますか?

 ・脂肪分、カロリーが多い食べ物(肉、揚げもの)をよく食べる。

 ・炭水化物(ごはん、パンなど)を他人より多く食べる。

 ・野菜はあまり食べない。

 ・間食が多い。

 ・お酒をよく飲み、つまみも多く食べる。

 →一つでも○なら 3へ

 →一つもなければ 2へ

2 太り気味である。

  ※体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25以上

 →太り気味なら 3へ

 →そうでなければ A へ

3 親類に糖尿病になった人がいる。

 → ○なら Cへ

 → ×なら 4へ

4 あまり運動をしていない。  

 → ○なら Bへ

 → ×なら Aへ

 

A 今のところ心配ないでしょう。

  きちんとした食生活、適度な運動をこころがけ、年に1度は健康診断をしましょう。

B 糖尿病になる可能性が・・・

  遺伝と糖尿病の他に、太りすぎと糖尿病も関連性が高いといわれています。

  食生活を見直し、適度な運動をするように心がけましょう。また、健康診断もきちんと受けましょう。

C 糖尿病になってもおかしくない・・・・

  糖尿病は、遺伝的なものと肥満や不規則な生活などの要因が合わさって起こります。

  早急に食生活を見直し、適度な運動を心がけ、規則正しい生活でストレスをため込まないようにしましょう。

  健康診断もきちんと受けましょう。



自宅で糖尿病の血液検査

糖尿病の血液検査を自宅でできるキットがあります。

これまでは、血液検査は医療機関でしかできませんでしたが、自宅でできるようになりました。

市販で尿をかける検査薬もありますが、正確性でいえば血液検査にはかないません。

糖尿病の他の成人病も検査できます。検査する項目は次のとおりです。

 

□糖尿病の検査 ・ヘモグロビンA1c(HbA1c)  

□栄養状態の検査 ・総蛋白(TP) ・アルブミン(Alb)

□肝機能の検査 ・AST(GOT) ・ALT(GPT) ・γ-GTP 

□脂質の検査 ・総コレステロール(TC) ・中性脂肪(TG) ・HDLコレステロール(HDL-C) 

□腎機能の検査 ・尿素窒素(BUN) ・クレアチニン(Cre) 

□血糖の検査 ・血糖(Glu)

 

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糖尿病負荷検査とは

糖尿病負荷検査とは、糖尿病予備群など、まだ自覚がない糖尿病を早期に発見する検査です。

その検査方法は次のとおりです。

1 検査日前日夜9時以降から絶食し、翌日空腹時の血液検査をする。

2 その後、ブドウ糖入りのジュースを飲み、30分後、2時間後の血液検査をする。

血液検査は、空腹時、ブドウ糖摂取30分後、ブドウ糖摂取2時間後、と3回行います。

これらの検査での血糖値の上がり具合を見ることにより、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが作用しているのかを検査することが出来ます。

この検査により、糖尿病になりやすいかを知ることが出来ることから、今後の糖尿病対策を考えるきっかけにもなり、生活習慣の改善につながることから糖尿病のみならず、他の成人病の悪化を防ぐことにもつながります。

但し、次の人は糖尿病負荷検査を受けることが出来ません。

・現在、糖尿病と診断されている。

・胃を切除している

・重い肝臓病、腎臓病で治療中である。



糖尿病の体質を示す遺伝子

糖尿病患者の約95%を占める2型糖尿病。
その発症のしやすさに強く関わる遺伝子を、日本の2つのグループが各々の研究で突き止めて同時に発表しました。
その研究グループは「国立国際医療センター」と「理化学研究所」。
日本人を対象に研究し突き止めたとのことです。

特定した遺伝子の名は「KCNQ1」といい、これまでは、心臓の筋肉の動きに重要であることが知られていました。
この遺伝子の塩基配列がわずかに違うと2型糖尿病の発症が1.3~1.4倍に高まったとのこと。

これまで、2型糖尿病に関連する遺伝子は、欧米人対象の解析によりいくつか見つかっていたものの、アジア人で特定されるのは初めてとのことで、今後は予防や治療法の開発が期待されるようです。