2 糖尿病の症状

糖尿病の症状

 糖尿病はサイレントキラーと言われるほど、気がつかないうちに進行します。

 血糖値が多少高いくらいでは症状が出ない人が多くいです。

 糖尿病が悪化し、血糖値が上がってくると、喉の渇く、トイレが近くなる、おしっこの臭いが気になる、傷が治りにくい、足がつる、だるい、疲れやすい、痩せるなどの症状が出てきます。

 さらに血糖値が上がり、極めて高い状態になると、昏睡状態におちいることも。

 高血糖は全身の臓器にダメージを与えます。特に網膜、腎臓、神経の障害が起きやすく、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、そして糖尿病性神経症は三大合併症と言われています。



糖尿病性網膜症とは

糖尿病性網膜症とは、糖尿病の三大合併症の一つで、眼底にある網膜の血管が悪くなり、最次第に視力が弱まってきます。さらに血糖値が上がると失明することもあります。白内障になる人も多いといわれます。

日本人の失明原因の第1位がこの「糖尿病性網膜症」といわれています。



糖尿病神経障害とは

糖尿病神経障害は、末梢神経の機能が損傷を受けます。

末梢神経は全身に広がり、感覚神経、運動神経、自律神経がありますが、すべて障害を受ける対象となります。なかでも痛みを感じる感覚神経に障害が現れやすく、手足の咲樹のしびれ、痛みをあまり感じないということが、片方だけでなく、左右ともに現れます。

その他の症状としては、発汗、低血圧、心筋梗塞、便秘、下痢、手足の痺れ、手足の痛み、手足の壊疽、無発汗、排尿障害、インポテンツなど、症状は様々です。



糖尿病腎症とは

糖尿病腎症とは糖尿病の3大合併症のひとつで、 尿を作る腎臓の糸球体という部分の毛細血管に障害が起きる(血液中の老廃物を尿中に排泄するろ過器の働きができなくなる)ことで、腎機能が低下し、尿の中にたんぱくが出てきたり、高血圧やむくみなど腎炎と似た症状がでてきます。

悪化すると腎不全から尿毒症となることから、透析が必要になります。



低血糖とは

高血糖状態が続く糖尿病の治療では、血糖を下げる飲み薬やインスリンを使うわけですが、これが効き過ぎることで血糖が下がり過ぎるのが「低血糖」です。

高い血糖を下げるために薬やインスリンを使うのですが、人が必要とするインスリンは、食べ物や運動量などにより変化します。あまりインスリンを必要としないときに血糖を下げる作用が効き過ぎると、低血糖になってしまいます。

低血糖になるということは、体を動かすためのエネルギー源となるブドウ糖が体のすみずみに運ばれないことになります。

そして、次のような症状が現れます。

発汗、手足のふるえ、動悸、不安感、吐きけ、空腹感、霧視
 ↓
集中力の低下、脱力、眠気、めまい、疲労感、ろれつが回らない、

物が二重に見える、空腹感、霧視
 ↓
意識障害
  ↓
低血糖昏睡

ブドウ糖など甘いものを携帯し、低血糖を感じたら服用し一休みし回復を待つようにしましょう。

 



糖尿病による全身の合併症症状

糖尿病による合併症は、全身に様々なかたちで現れます。

脳 :脳梗塞 脳出血 糖尿病性昏睡
目 :糖尿病性網膜症 白内障 緑内障 虹彩炎 眼筋麻痺
歯 :歯周病
顔 :顔面神経麻痺
手 :しびれ 痛み
足 :しびれ 痛み 下肢閉塞性動脈硬化症 こむらがえり
   むくみ 潰瘍壊疽 皮膚感染症 
心臓:起立性低血圧 狭心症 心筋梗塞
肺 :肺炎 肺結核
腎臓:糖尿病性腎症 腎盂腎炎
腸 :下痢 便秘
膀胱:膀胱炎
生殖器:勃起障害 皮膚感染症



糖尿病が疑われる症状

糖尿病は初期症状がわかりにくいため、大変やっかいな病気です。
それだけに、発見が遅れて糖尿病が進行してしまうと、体中に重大な影響を及ぼすことになります。
健康診断で血糖値が高いという結果が出たら、すぐに治療に係るようにしましょう。

糖尿病の症状は次のとおりとなります。

糖尿病の症状 その1
のどが乾きやすく水分を多く取るため、尿の回数や量が増える。
糖尿病は、血糖値をを下げるインスリンが足りないことから、血液中の糖濃度を下げるために大量の水を飲んで下げようとします。 その結果、尿の回数・量ふえます。

糖尿病の症状 その2
体がだるく、疲れやすい
尿が多くなると、筋肉や骨がの成分、細胞働きに大切な食塩などのミネラルも出いきます。
これにより、脳への血液量が減少することから、もうろうとなったり、体がだるくなります。

糖尿病の症状 その3
食欲がとても旺盛になる
糖尿病初期は一時的にインスリンが過剰に出る場合があり、このときは食欲が異常に旺盛になることがあります。

糖尿病の症状 その4
食べている割に痩せてくる
糖尿病が進行すると、筋肉や脂肪を燃料することから、食べている割には体重が急激に減ってきます。

糖尿病の症状 その5
血流が悪くなる
糖尿病は血液の粘性が強く、血管壁に負担をかけます。これによる動脈硬化により、特に足指の血流が悪化し、指が腐り、切断する羽目になることもあります。

糖尿病の症状 その6
むくみが出てくる
糖尿病の合併症である「糖尿病性腎症」の症状が進むと、血液中のタンパク質が尿中に排せつされることから、むくみが出やすくなります。

糖尿病の症状 その7
体の抵抗力が落ちる
「おでき」ができやすく、化膿しやすい状態になります。また、膀胱炎や風邪をひきやすくなり、治りにくくなります。

糖尿病の症状 その8
性欲が減退する



足変病

足変病とは糖尿病による合併症の一つです。

糖尿病による神経障害により感覚が鈍くなると、足にけがや火傷などがあっても気付きにくくなり、しかも足先は目につかないために異常がおこっていてもわかりにくくなります。

高血糖になるとばい菌に感染しやすく、傷が治りにくくなることから、、小さな傷でも酷くなり、かいようや壊疽になり、足を切断しなければならなくなることがあります。

そのようにならないためにも、足のチェックを習慣にし、異常を早く発見するようにしましょう。



脂肪萎縮性糖尿病とは

脂肪萎縮性糖尿病とは、先天的あるいは後天的に、脂肪組織が全身あるいは部分的に欠落、萎縮することでさまざまな症状を引き起こす、脂肪萎縮症(脂肪ジストロフィー)という比較的稀な病気により引き起こされる症状のひとつで、治療がきわめて難しい病気です。

この治療に関するニュースを紹介すると、iPS(人工多能性幹)細胞など幹細胞を用いた医療を目指す京都大医学部付属病院iPS細胞・再生医学研究会の第1回研究会が2010年1月15日、京都市左京区の芝蘭会館で開かれ、難病患者の細胞から作ったiPS細胞の医療応用や安全性確保のための研究が報告され、中尾一和・京大病院教授は、iPS細胞から脂肪細胞や血管を作る細胞への分化に成功したことを報告。脂肪萎縮性糖尿病患者への細胞移植医療に向け、安全性と有効性を検討するとともに、インスリンを分泌する膵β細胞への分化研究を進め、糖尿病の画期的治療法を実現する意気込みを示したとのこと。

早期の実現を期待します。