糖尿病治療とがんの関係

米国癌協会(ACS)と米国糖尿病協会(ADA)が共同で設置した専門家グループにより発表されたコンセンサス・レポートによると、

「糖尿病患者は癌(がん)リスクも高い」とのこと。特に2型糖尿病と特定のがんとの関連が認められており、糖尿病そのものがリスクを増大させるのか、肥満などの共通する危険因子が原因なのかはわかっていないとのこと。 また、別の研究によると、インスリンなどを用いた糖尿病治療と一部のがんとの関連も示されている。

しかしながら、決定的な科学的根拠がなく、インスリンが原因なのか、その他の糖尿病の危険因子が関与しているのかを明らかにするのは難しいとのこと。

肥満者やインスリン値の高い人は特定のがんへの罹患率が高いことはいくつか示されているもののが、あらゆるがんに当てはまるわけではない、と、著者の1人、米マサチューセッツ大学メモリアル・メディカルセンターのDavid Harlan博士は述べている。

ただ、最も好ましくないのは、がんをおそれるあまりインスリン治療をしないと、糖尿病の合併症を引き起こすことになり、そちらの方が危険だ、とも。