糖尿病の病名の由来

糖尿病は古代西洋では“diabetes”(ギリシャ語で高いところから低いところへ水が流れるの意味)と名付けられました。

一方、中国では、「消渇」(水や食べ物が消える、濾過するという意味)と名付けられてました。

日本では江戸時代になると西洋の“diabetes”と言う言葉が伝わりましたが、これを翻訳できなかったため、オランダ語で壁されていた“pisvloed”が“尿崩”と記されたと考えられています。(“pisvloed”  pis=尿、vloed=flood洪水、氾濫の意味)

ここが、「糖尿」病の「尿」の語源です。

一方で、17世紀、英国チャールズⅡ世の侍医トーマス・ウイルスが糖尿病患者の尿がはちみつのように甘いことに気付き、ラテン語のはちみつを意味する”mellitus”が付き、“Diabetes Mellitus”と呼ばれるようになりました。

この“Mellitus”が日本にも伝わり、「尿崩」と呼ばれていたものが、「蜜尿病」となり、その後蜜の成分が糖であることがわかり「糖尿病」と呼ばれるようになりました。

明治には「蜜尿病」「糖尿病」が混在していましたが、1907年の日本内科学会講演会後に「糖尿病」に統一されました。